オリジナルTシャツ作成の決定版!シルクスクリーンとDTF転写の使い分けガイド
オリジナルTシャツを作ろうと思い立ち、いざ注文画面へ。そこで多くの人が直面するのが、「シルクスクリーン」と「DTF転写(オンデマンド転写)」という2つの選択肢です。
「安く済ませたいけれど、後悔はしたくない」 「1枚だけならどっち? 10枚なら?」 「洗濯したらすぐダメになるのは嫌だ」
そんな不安を抱える方のために、業界最大手「インファクトリー」の最新料金システム(2026年時点)を1円単位まで解剖。

Contents
プリント手法の「正体」を正しく知る
まず、この2つの手法は「好みの違い」ではなく「全く別の仕組み」となります。
シルクスクリーンプリント:伝統が生む「プロの仕上がり」
シルクスクリーンは、デザインの形に穴を開けた「版(型)」を作り、インクをヘラ(スキージ)で生地に直接刷り込む技法です。 アパレルブランドやライブTシャツの多くがこの手法を採用しています。インクが生地にしっかり定着するため、発色が鮮やかで、プロっぽい「パキッ」とした質感になります。
DTF転写プリント:アパレル業界を変えた「デジタルの革命」
DTF(Direct to Film)転写は、専用プリンターでフィルムに印刷し、それを熱プレス機でTシャツに貼り付ける手法です。 最大の特徴は「型(版)」を一切必要としないこと。家庭用のプリンターが写真を出力するように、どんなに複雑なフルカラーデザインも1枚から再現できるのが最大の強みです。
インファクトリーの料金体系:製版代「6,000円」の重み
インファクトリーで注文する際、見積もりの総額を大きく左右するのが【製版代(版代)】です。
なぜシルクは小ロットで高いのか?
シルクスクリーンでTシャツを刷るには、まず「型」を作らなければなりません。
インファクトリーでは、30cm×30cm 1箇所1色につき 6,000円(税込)の製版代がかかります。
ここで重要なのは、1色ごとに版が必要だという点です。
1色のロゴ: 6,000円(版代1枚)
3色のロゴ: 18,000円(版代3枚)
この6,000円は、1枚作るときも100枚作るときも固定でかかります。1枚だけ作るなら、そのTシャツには「6,000円の版代」が丸ごと乗っかってきますが、100枚作れば1枚あたりわずか60円の負担で済みます。これがシルクが「大量生産向け」と言われる最大の理由です。
DTF転写は「初期投資」がいらない
一方、DTF転写はデジタル出力なので版を作りません。
何色使っても: 版代は 0円
この「6,000円の壁」があるかないかが、小ロット制作における最大の分岐点になります。
【実録シミュレーション】合計金額で見る損益分岐点
インファクトリーの料金体系において、最もドラマチックに金額が動くのが「1枚から9枚」の小ロットゾーンです。ここでは、スタッフから見積もりが届く前に知っておきたい、手法別の「リアルな総額」を試算してみましょう。
※条件:定番Tシャツ「085-CVT」を使用(本体代 約700円と仮定)。金額はすべて税込・2026年時点の概算です。
ケース1: 自分用に「1枚だけ」最高の一着を作りたい
自分へのご褒美や、大切な人へのプレゼント。この「究極の1枚」において、手法選びを間違えると、Tシャツ1枚に高級フルコース料理並みの出費をすることになります。
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シルクスクリーンの場合(1色)
- ・アイテム代:700円
- ・プリント代(1~3枚一律):3,500円
- ・製版代:6,000円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:13,200円
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DTF転写(オンデマンド転写)の場合
- ・アイテム代:700円
- ・プリント代(30cm想定):2,500円
- ・製版代:0円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:6,200円
【解説】 1枚制作では、DTF転写がシルクスクリーンの「半額以下」という圧倒的な結果になります。その差額は7,000円。この差の正体は、ほぼ「製版代6,000円」の有無です。 さらに注目すべきはデザイン性です。シルクはこの価格で「1色」しか使えませんが、DTF転写なら「フルカラー写真」でも同じ6,200円。1枚だけ作るなら、経済的にも表現的にもDTF転写が唯一無二の正解と言えます。
ケース2: 仲の良い友人5人で、2色のチームロゴを入れたい
5枚。ここからインファクトリーの見積もりは一気に複雑さを増します。
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シルクスクリーンの場合(2色)
- ・アイテム代:3,500円(700円×5枚)
- ・プリント代(4~9枚一律 2,500円×2色):25,000円
- ・製版代(6,000円×2版):12,000円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:43,500円(1枚あたり 8,700円)
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DTF転写(オンデマンド転写)の場合
- ・アイテム代:3,500円
- ・プリント代(2,500円×5枚):12,500円
- ・製版代:0円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:19,000円(1枚あたり 3,800円)
【解説】 5枚かつ2色という条件では、総額に2倍以上の開きが出ます。シルクスクリーンの場合、枚数が少ない中で「版を2つ作る」という行為が、1枚あたりの単価を猛烈に押し上げてしまうのです。5人でお揃いを作るなら、1人あたり3,800円で済むDTF転写の方が、圧倒的に誘いやすい価格設定になるはずです。
ケース3: 9枚の壁。ここが本当の「損益分岐点」
「9枚以下は個別見積もり」というルールの限界点です。ここでは、あえて「1色」のシンプルなデザインで比較してみましょう。
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シルクスクリーン(1色)
- ・アイテム代:6,300円(700円×9枚)
- ・プリント代(4~9枚一律):2,500円
- ・製版代:6,000円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:17,800円(1枚あたり 1,977円)
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DTF転写(オンデマンド転写)
- ・アイテム代:6,300円
- ・プリント代(2,500円×9枚):22,500円
- ・製版代:0円
- ・小口手数料:3,000円
- ・合計:31,800円(1枚あたり 3,533円)
【結論】 ついに逆転現象が起きました。デザインが「1色のみ」であれば、9枚制作ならシルクスクリーンの方が1枚あたり約1,500円も安くなります。 もしあなたが「1色のシンプルなロゴTシャツを9枚作りたい」なら、見積もり依頼時に「シルクスクリーンでお願いします」と添えるのが、最も賢い注文方法になります。
このように、「枚数」と「色数」の掛け算によって、最適解は変わります。見積もりが自動で出ない9枚以下だからこそ、この「版代6,000円」を頭に入れたシミュレーションが、予算管理の生命線になるのです。
「耐久性」のリアル。
「安いのはわかったけど、転写って昔のアイロンプリントみたいにすぐ剥がれるんじゃないの?」という不安。これに本音で答えます。
シルクスクリーンの耐久性:歴史が証明する「最強」
インクを生地に直接叩き込んで固めるシルクスクリーンは、理論上、最強の耐久性を誇ります。 部活動の激しい練習着、毎日高温で洗う飲食店のユニフォーム。こうしたハードな環境で使うなら、間違いなくシルクスクリーンです。プリントが剥がれる前に、Tシャツの生地自体が寿命を迎えるほど頑丈です。 「10年経ってもまだ着られる」。そんな一着を目指すなら、迷わずこちらです。
*経年劣化によるひび割れ等は発生する可能性があります。
DTF転写の耐久性:最新技術は「ゴムのようなしなやかさ」
今のDTF転写は、昔のシート転写とは別物です。非常に薄いインクの層が生地に密着しており、引っ張ってもひび割れることはほとんどありません。 インファクトリーのDTF転写は洗濯試験もクリアしており、家庭用洗濯機で普通に洗う分には、大きな劣化は見られません。 ただし、唯一の弱点は「熱」です。乾燥機(タンブラー乾燥)に放り込むと、プリント同士がくっついたり、剥がれの原因になったりします。ここさえ気をつければ、転写も驚くほど長持ちします。
インファクトリー活用の「裏技」:版の半永久保存
インファクトリーの最大の特徴は、一度作ったシルクスクリーンの版を、半永久的に保存してくれる点です。
「初期投資」としての版代6,000円
もしあなたが、「今は3枚しかいらないけど、今後、毎月少しずつ追加していく予定がある」なら、初回に高い版代(6,000円)を払ってでもシルクで作るべきです。 なぜなら、2回目以降の注文では、あの「6,000円」がかからないからです。累計コストで見れば、2回目以降はシルクスクリーンがDTF転写を圧倒する安さになります。
版があるからこそできる「多展開」
一度版を作ってしまえば、同じ版を使って「Tシャツ」だけでなく「ポロシャツ」や「パーカー」にプリントすることも可能です。 「春はTシャツ、秋はパーカー」といった展開を考えているなら、シルクスクリーンの版保存は強力な武器になります。
デザインデータ作成の注意点(失敗しないために)
手法を決めても、データが不適切だと仕上がりが台無しになります。
DTF転写の場合
背景を透明にした「PNG形式」の画像がベストです。解像度が低い(画像が荒い)と、そのまま粗くプリントされてしまいます。スマホの写真は「一番高画質な設定」で撮ったものを送りましょう。
シルクスクリーンの場合
「Illustrator(AIデータ)」が推奨されます。細かい線(1mm以下)や、複雑な網掛けは表現できない場合があります。ロゴを作る際は「線を太めにする」ことを意識してください。また、色はインファクトリー指定のカラーチャートから選ぶと、イメージのズレが防げます。
納期重視ならどっち?「デジタル=早い」とは限らない現場の真実
「急ぎでTシャツが必要だけど、シルクだと版を作るから時間がかかるよね?」……もしあなたがそう思っているなら、それは大きな誤解です。少なくとも、自社工場に最新鋭の設備を持つインファクトリーにおいては、その常識は通用しません。
爆速の「CTS製版」がシルクの弱点を消した
一般的なプリントショップでは、フィルムを出力し、光を当てて、水で洗って乾燥させる……というアナログな工程に数日を要します。しかし、インファクトリーはデザインデータを直接スクリーンに焼き付ける「CTS(Computer To Screen)」を導入しています。 データ確定からわずか数時間で「刷れる状態」の版が完成するため、かつてシルクの弱点だった「製版待ち」の時間はもはや過去のものです。
手法による納期差は「ほぼゼロ」、むしろシルクの方が早いことも
よく「DTF転写はプリンターで出力するだけだから早い」と思われがちですが、実はここが盲点です。 高画質なDTFプリントは出力自体にかなりの時間を要しますし、出力後もシートのカットや、人の手による作業が不可欠です。
シルクスクリーン: CTS製版により、一瞬で版が完成。あとは職人が一気に刷り上げる。
DTF転写: 精密な出力に時間をかけ、その後の加工工程も手作業が続く。
枚数が少ない場合、「版さえ作ってしまえば一瞬で終わるシルク」の方が、トータルの作業時間は早いことすらあります。
結局、インファクトリーにおいて手法による極端な納期差はありません。納期を左右するのは手法の差ではなく、「いかに早く入稿データを確定させるか」、そして「工場のラインが空いているタイミングに滑り込めるか」。この一点に尽きるのです。
失敗事例:プロでも陥る「もったいない」注文の数々
「細かい抜き」のデザインをシルクで強行
シルクスクリーンはインクを「網目」から通すため、あまりに細かすぎる「抜き」のデザインは、インクが滲んで埋まってしまうリスクがあります。 インファクトリーのスタッフから「この部分は潰れる可能性があります」と言われたら、意地を張らずにDTF転写に切り替えましょう。
10枚未満なのに無理やりシルクを選ぶ
「どうしてもシルクがいい!」というこだわりは素晴らしいですが、5枚で2色刷りなどの場合、1枚あたりの単価が8,000円を超えてしまうことがあります。 このとき、冷静にDTF転写の見積もりと比較してください。インファクトリーのDTFは非常に質感が高いため、「シルクじゃなきゃ安っぽい」という固定観念で高い授業料を払うのは非常にもったいない失敗です。

【最終結論】インファクトリーを「あなたの専属工場」にするために
ここまで、インファクトリーの裏側を解説してきました。最後に、見積もり担当者に送る「完璧なメール」の書き方を伝授します。
担当者に「お任せ」する勇気
9枚以下の個別見積もりでは、以下の情報を添えるだけで、スタッフがCTS製版の空き状況やDTFのライン稼働を見て、「その時、そのデザインで一番コスパの良い方法」を逆提案してくれます。
「使用用途(1回きりのイベントか、毎日のユニフォームか)」
「予算感(1枚いくら以内に収めたいか)」
「追加注文の可能性(今後も同じロゴで作るか)」
最後に
インファクトリーは、ただの「プリント屋」ではありません。最新の製版技術と、小ロットに応えるデジタル技術を併せ持った、あなたのアイデアを形にする「エンジニア集団」です。
製版代6,000円という数字だけを見るのではなく、その裏にある「版保存」のメリットや「CTSによる爆速納期」を理解すれば、あなたのTシャツ作りはもっと自由で、もっと賢いものになります。
さあ、今すぐお気に入りのデザインを準備して、インファクトリーの門を叩いてみてください。










