今回は、おススメするプリント位置の決め方についてご紹介いたします。
そもそもプリント位置とは何?って事ですが、イラストや文字などをシルクスクリーンや転職プリントでプリントをする際の位置決めになります。このプリント位置で結構印象が変わったりするので、注意が必要です。
これを決めているのが「版合わせ」と呼ばれる仕事です。今回は、版合わせ担当の仕事内容や後半ではプリント位置の決め方やなどを説明していきます。
版合わせの仕事内容
インファクトリーでは、デザインが決まった後、オリジナルTシャツを作成するにあたり、製版(版を作る)→版合わせ→作業台にTシャツを設置→プリントと、各部署が分かれてライン加工のような形で作成しています。加工スピードが速い理由は、この分業制にもあります。
デザインと版の確認
製版されてきた版がデザインと合っているかを確認します。デザインをプリントアウトした紙があるので、実際の版と合わせてチェックします。柄の抜けや、多色が正しく分色されているか確認します。
プリント位置の確認版指示
製版されてきた版がプリント位置どおりに製版されているか、版を見て確認します。高さやプリント位置などをチェックします。
この時に、版のデザインのセンターを合わせたり、プリントする場所や色など、指示すべきことを版に書き込み、プリントしやすい様します。
着せる位置の指示
工場には「アイテムを着せる担当」「プリント担当」など、沢山の方が働いてます。誰が見ても分かる様に、プリントアウトした紙に「着せ位置」を書いて指示をします。着せ位置には「胸」「背中」「首下」「袖」など、それぞれ着せ位置をきめていきます。
※基本の位置は決まっているので3章で説明します。
版の管理
毎日多い時は120版ほど1日で製版されてくるため管理がとても大変です。沢山の版の中からすぐ版を見つけれる様に、日にちや名前、番号などをつけて管理しています。指示書があるので、その指示書に版の番号を書いてプリントする人が版を探しやすい様に管理しています。
プリント台の選定
プリントする時に、大台、中台、小台、そで台、があります。ボディーサイズやプリント箇所によって、台を変えます。指示書をみてどの台がどれぐらい必要か指示します。
版の不具合のチェック
ピンホール(デザインにない小さな穴)や、版の破れ、版の汚れ、小さなゴミなどチェクします。こういうのがあるとプリント不良につながります。
版合わせで気をつけている事
新しいアイテムや珍しいアイテムの位置合わせ
毎年新しくアイテムが出て来るので、着せ位置などボディーを見ながらデザインを合わせます。年に数回かしか来ない珍しいアイテムもあるので、同じく確認します。その時に、プリント可能範囲などメモをしておくと次に来た時に合わせやすいです。
アイテムに対してデザインが大きい時
全体のバランスがよくなる様に注意します。特にジュニアサイズのボディーは、柄が大き過ぎると縫い目に柄がかぶってりしてプリントできない場合があるので確認が必要です。
1つのデザインでサイズの振り幅が大きい場合(90cmとXLなど)であれば
こだわりのある方は、大小のそれぞれの版を作る事をおススメします。
同じ版を使い違うボディーにプリントする時
Tシャツとパーカーの背中にプリントをする時などは気をつけいます。Tシャツの背中のプリントと同じ様に、パーカーをプリントをしてしまうとフードに隠れてしまいます。その為、パーカーの時は着せ位置を下げてバランスをよくしています。
納期を見て早いものなど優先してあわせる
納期の近いものを優先的に作業を進めつつ、多色や単色、枚数などそれぞれ効率よく作業が勧められる様に作業を進めていきます。作業レーンも多く、回転も速い為いつでも次のプリントができるように準備するように意識しています。
版の扱い方
一日に何版も扱いますので版を破かない様に気をつけいます。版にはメッシュと呼ばれる素材を使用しており、破けやすいです。破れてしまうとまた製版からやり直しになるため丁寧に版を扱い、版を置く場所を整頓しております。
プリント位置について
インファクトリーでは、アイテムやサイズごとに基本的なプリント位置を決めています。おまかせの場合はプロが最適な位置をご提案いたします。プリント位置にご希望がある方は、センチ単位での指定も出来ます。
プリント可能範囲
https://www.infac-planning.com/design/area.html
プリント可能位置の紹介をします。
左胸・右胸
定番のプリント位置になります。10cm×10cm以内のデザインがオススメです。団体名やロゴをプリントするのにちょうどいい位置です。
MLサイズを基準として小さいサイズ大きいサイズを調整します。Tシャツの場合、襟の縫い代を基準にプリント位置を決めます。MサイズLサイズが0だとすると、Sは -1センチ、XLは+1センチといったように、位置を調整します。
ポロシャツならボタン、ジップパーカーならファスナー柄ある為、横幅の大きすぎるデザインは注意が必要です。
右胸と左胸では一般的には左胸にプリントされる方が多いですが左胸にポケットがある場合や名札をつける場合には右胸のプリントがおすすめになります。
ポケット
ポケットの真ん中辺りにプリントになります。細かいプリント位置の指定がはできかねます。プリントできる最大の大きは横6cm 縦4cmになります。左胸と比べ一回り小さくなりますので細かいデザインや多色のデザインの場合は左胸をおすすめ致します。
ポケット口の上
ポケットから2cm離してプリント致します。2cmよりも近づけることはできません。ポケットの大きさや位置に個体差がありますのでプリントする際、多少ズレる可能性がございます。
胸中央・背中中央
胸中央と背中中央は一番目立つ位置ですね。ロゴや会社名、キャラクターなど、プリントするものを選びません。学園祭やイベント、企業の宣伝など、デザインを全面に押し出したい場合にはうってつけの位置です。MLサイズをとして基準としてSは -1センチ、XLは+1センチといったように、位置を調整します。
パーカーの場合はフードがあるため背中のプリント位置はフードの縫い代から15cm程度の位置がおすすめとなります。
前首下・背中首下
首下は全サイズ同じ位置に合わせます。リブの縫い代から3cmは離す必要がございます。デザインの大きさは10cm以内がおすすめになります。
裾中央
裾プリントは、さりげないオシャレに持ってこいのプリント位置です。また、マラソン大会や競技などでゼッケンを着用する場面があるかと思います。裾であればゼッケンで隠れない場所になりますので、チーム名やロゴなど、隠れてほしくない時にオススメです。
tシャツやポロシャツの場合は裾の縫い目から役3cm程度は離す必要があります。パーカーなど縫い代やリブが高い物は縫い目から5cm程度の位置でプリントします。縫い目盛り上がっていると、プリントが厚くなったり滲んだりする可能性があリます。
左袖・右袖
企業名やワンポイントロゴなどの注文を受けることが多いです。また、長袖の場合には大きなデザインも入れる事ができるのが特徴です。
全てのサイズで、半袖なら縫い目から2.5センチ上の位置へプリントします。デザインの大きさは横8cmまでがプリント推奨範囲となっております。ジュニアサイズなど小さなアイテムは注意が必要です。
長袖は、大きい柄がプリントできるのが特徴です。柄がによってアームから10センチ〜15センチであわせます。アイテムにより40センチまでプリント可能です。袖口付近にもプリント可能です。
プリント位置の注意点
cm単位での指定
インファクトリーでは、プリント位置の指定がcm単位できます。「首のリブから◯cm」「裾の縫い目から◯cm」といった感じです。
同じアイテムでも、微細なサイズの違いがあったり、スタッフの手作業で位置を合わせることで、どうしても多少の誤差が生じる可能性があります。インファクトリーでは、熟練の職人さんの腕で、限りなく誤差がないように製作しております。
縫い目やファスナーにかかるプリント
縫い目やファスナーにかかるプリントはオススメできません。近い位置でのプリントは可能ですが、最低でもデザインを3cm離す必要があります。
まとめ
以上、プリント位置について解説いたしました。プリント位置をどうしようと迷う事もあると思います。 今回はそんな方々に、少しでもお力になれたなら幸いです。
「それでも迷う…」「イメージが湧かない…」そんな時には、まずお問合せください。プロのスタッフがご提案や相談させていただきます。
また、パソコンやスマホからプリントデザインができる「プリントシミュレーター」もご用意しております。是非お使いください。
プリントシミュレーター
https://www.infac-planning.com/design/designsimulator.html